年金の基本:もらえる額と不足額の計算方法
公的年金の仕組み、もらえる金額の目安、老後の不足額の計算方法を初心者向けに解説します。

年金の基本:もらえる額と不足額の計算
「老後の年金って、実際いくらもらえるの?」
この不安を持つ人は多いはず。この記事では、年金の仕組みと受給額の目安、老後の不足額の計算方法をわかりやすく解説します。
- 日本の年金制度の仕組み
- 年金の受給額の目安
- 老後に必要な生活費
- 不足額の計算方法
- 不足額を補う方法
日本の年金制度の仕組み
3階建ての構造
日本の年金は「3階建て」と呼ばれます。
| 階層 | 年金の種類 | 対象者 |
|---|---|---|
| 1階 | 国民年金(基礎年金) | 日本在住の20〜60歳全員 |
| 2階 | 厚生年金 | 会社員・公務員 |
| 3階 | 企業年金・iDeCo | 加入者のみ |
国民年金と厚生年金
| 項目 | 国民年金 | 厚生年金 |
|---|---|---|
| 加入者 | 自営業・フリーランスなど | 会社員・公務員 |
| 保険料 | 定額(月約16,980円) | 報酬の18.3%(労使折半) |
| 受給額 | 満額で月約68,000円 | 報酬と加入期間で変動 |
| 支給開始 | 65歳 | 65歳 |
年金の受給額の目安
国民年金の受給額
国民年金の満額は**年間約81.6万円(月約68,000円)**です。
| 加入期間 | 受給割合 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 40年(満額) | 100% | 約68,000円 |
| 35年 | 87.5% | 約59,500円 |
| 30年 | 75% | 約51,000円 |
| 25年 | 62.5% | 約42,500円 |
厚生年金の受給額の目安
厚生年金の受給額は、加入期間と平均報酬で決まります。
| 平均年収 | 加入20年 | 加入30年 | 加入40年 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約33万円/年 | 約49万円/年 | 約66万円/年 |
| 400万円 | 約44万円/年 | 約66万円/年 | 約88万円/年 |
| 500万円 | 約55万円/年 | 約82万円/年 | 約110万円/年 |
| 600万円 | 約66万円/年 | 約99万円/年 | 約132万円/年 |
| 800万円 | 約88万円/年 | 約132万円/年 | 約176万円/年 |
モデルケース別の受給額
| ケース | 国民年金 | 厚生年金 | 月額合計 |
|---|---|---|---|
| 自営業(夫婦) | 約13.6万円 | なし | 約13.6万円 |
| 会社員(単身) | 約6.8万円 | 約10万円 | 約16.8万円 |
| 会社員+専業主婦 | 約13.6万円 | 約10万円 | 約23.6万円 |
| 共働き夫婦 | 約13.6万円 | 約17万円 | 約30.6万円 |
自営業夫婦
国民年金のみ
会社員+専業主婦
厚生年金+国民年金
老後に必要な生活費
総務省の調査データ
| 世帯タイプ | 月額生活費 |
|---|---|
| 高齢夫婦世帯(65歳以上) | 約26〜28万円 |
| 高齢単身世帯 | 約15〜16万円 |
| ゆとりある老後生活 | 約36万円 |
生活費の内訳(高齢夫婦世帯)
| 費目 | 月額目安 |
|---|---|
| 食費 | 約7万円 |
| 住居費 | 約1.5万円(持ち家の場合) |
| 光熱水道 | 約2.2万円 |
| 医療費 | 約1.6万円 |
| 交通通信 | 約2.8万円 |
| 教養娯楽 | 約2.5万円 |
| その他 | 約9万円 |
| 合計 | 約27万円 |
賃貸住まいの場合は住居費が月5〜10万円増えます。持ち家でも修繕費が別途必要です。
老後の不足額の計算方法
計算式
不足額 = (月額生活費 − 月額年金額) × 12ヶ月 × 老後年数
計算例:会社員+専業主婦世帯
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月額生活費 | 27万円 |
| 月額年金額 | 23.6万円 |
| 月額不足額 | 3.4万円 |
| 老後年数(65〜90歳) | 25年 |
| 不足額合計 | 約1,020万円 |
ケース別の不足額シミュレーション
| ケース | 月額不足 | 25年間の不足額 |
|---|---|---|
| 自営業夫婦(生活費27万円) | 約13.4万円 | 約4,020万円 |
| 会社員+専業主婦(生活費27万円) | 約3.4万円 | 約1,020万円 |
| 共働き夫婦(生活費27万円) | +3.6万円 | 余裕あり |
| ゆとりある生活希望(36万円) | 約12.4万円 | 約3,720万円 |
上記は現時点の年金制度に基づく試算です。将来の制度変更、インフレ、医療費の増加などは考慮していません。余裕を持った準備が必要です。
年金を増やす方法
繰下げ受給
年金の受給開始を65歳から遅らせると、1ヶ月あたり0.7%増額されます。
| 受給開始年齢 | 増額率 | 月額の目安(23.6万円の場合) |
|---|---|---|
| 65歳 | 0% | 23.6万円 |
| 66歳 | 8.4% | 25.6万円 |
| 67歳 | 16.8% | 27.6万円 |
| 68歳 | 25.2% | 29.6万円 |
| 70歳 | 42% | 33.5万円 |
| 75歳 | 84% | 43.4万円 |
その他の方法
| 方法 | 効果 |
|---|---|
| 長く働く | 厚生年金の加入期間が延びる |
| 収入を増やす | 厚生年金の報酬比例部分が増える |
| 付加年金 | 月400円で将来の年金が増える(自営業のみ) |
| 国民年金基金 | 自営業者の上乗せ年金 |
不足額を補う方法
新NISAで資産形成
非課税で運用できる新NISAを最大限活用しましょう。月5万円×20年(年利5%)で約2,055万円になります。
iDeCoで節税しながら積立
掛金が全額所得控除になるiDeCoも活用。老後資金を効率的に準備できます。
退職金を計画的に活用
退職金がある方は、運用方法を事前に考えておきましょう。
長く働くことを検討
65歳以降も働くことで、年金を繰下げて増額しつつ、収入を確保できます。
まとめ
- 自分の年金額を把握する(ねんきん定期便で確認)
- 老後の生活費と不足額を計算する
- 新NISA・iDeCoで不足額を準備する
- 繰下げ受給や長く働くことも選択肢に
年金だけで老後が安心とは限りません。まず「ねんきん定期便」で自分の年金額を確認し、不足額を早めに把握して対策を始めましょう。
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免責事項: この記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘ではありません。年金額は概算であり、正確な金額は「ねんきん定期便」や日本年金機構のウェブサイトでご確認ください。