計算根拠と出典
Wealtherのシミュレーターが何を根拠にどう計算しているかを公開しています
2026年度の税制に対応最終更新: 2026年6月30日計算根拠・出典
資産形成は人生の重要なお金の判断に関わるため、Wealtherは「どんな前提で、何を根拠に計算しているか」を隠さず公開します。当サイトのシミュレーターは、制度・税率の一次情報(金融庁・国税庁・国民年金基金連合会)に基づき、 十進演算ライブラリ(Decimal.js)などを用いて算出しています。税制改正を確認し次第、本ページと各ツールの「最終更新」を更新します。 いずれも将来の結果を保証するものではなく、前提条件を置いた試算です。
情報の基準日: 本ページに記載の税率・非課税枠・制度上の数値は 2026年度時点の情報です(最終確認は上記「最終更新」日)。税制改正があり次第更新します。
1. 計算エンジンの精度
JavaScriptの標準的な浮動小数点演算は、長い期間の金額計算で誤差が累積することがあります。 NISA・iDeCoシミュレーターの資産計算には十進演算ライブラリ Decimal.jsを使い、以下の設定で計算しています。
- 有効桁数(precision): 34桁 — 長期の積立でも丸め誤差が累積しにくい設定
- 丸め: ROUND_HALF_UP(四捨五入)
- 画面表示は円未満(または万円未満)を四捨五入しています
※ NISA×iDeCo統合シミュレーターのNISA部分はNISA単体の十進演算、iDeCo部分はiDeCo単体の積立計算を使用します。ライフイベントシミュレーターは標準の浮動小数点演算で計算しています。
2. 新NISAの前提(2024年開始の新制度)
当サイトのNISA計算は、以下の非課税枠を前提にしています。
- つみたて投資枠: 年120万円
- 成長投資枠: 年240万円
- 年間合計上限: 年360万円
- 生涯非課税限度額: 1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)
- 運用益(譲渡益・配当)は非課税
出典: 金融庁「新しいNISA」(fsa.go.jp/policy/nisa2/)
3. iDeCo節税額の計算根拠
iDeCoの掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象です。節税額は「掛金を控除する前の税額 − 控除した後の税額」で算出します。 掛金の控除で税率の区分をまたぐ場合も、区分ごとの税率で正しく計算されます。 iDeCoシミュレーターとNISA×iDeCo統合シミュレーターは同じ計算モジュールを使うため、同じ年収・掛金なら同じ節税額になります。
- 所得税率: 課税所得に応じた累進税率(下表、国税庁の速算表に準拠。課税所得は1,000円未満切捨て)
- 住民税(所得割): 一律10%(道府県民税4% + 市町村民税6%。調整控除・均等割は考慮しない)
- 復興特別所得税: 所得税額の2.1%
| 課税される所得金額 | 所得税率 |
|---|---|
| 195万円以下 | 5% |
| 195万円超 〜 330万円以下 | 10% |
| 330万円超 〜 695万円以下 | 20% |
| 695万円超 〜 900万円以下 | 23% |
| 900万円超 〜 1,800万円以下 | 33% |
| 1,800万円超 〜 4,000万円以下 | 40% |
| 4,000万円超 | 45% |
出典: 国税庁「所得税の税率(速算表)」(nta.go.jp タックスアンサー No.2260)/ iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)(ideco-koushiki.jp)
※ 税率の判定に使う「課税所得」の求め方は「5. 給与から課税所得への前提」をご覧ください。
4. 入金タイミング・年率・費用・物価の前提
ライフイベントシミュレーターでは、現在の引き出せる資産・毎月の積立額(iDeCo以外)と、iDeCo残高・掛金を分けて入力します。 60歳前のイベント費用と達成判定には引き出せる資産だけを使い、iDeCo資産は60歳以降に受給できるものと仮定します。実際の受給開始年齢は加入期間で異なります(iDeCo公式サイト)。 iDeCo掛金は65歳未満の年だけ積み立てます。両資産には同じ入力利回りを使う簡易試算で、iDeCoの手数料や受取時の税はこの画面では反映しません。
同じ「月3万円・年率5%」でも、入金を月初とみなすか月末とみなすか、年率をどう月次に換算するかで結果は変わります。 各シミュレーターの現在の実装は次のとおりです。
| 項目 | NISA | iDeCo | NISA×iDeCo / ライフイベント |
|---|---|---|---|
| 入金タイミング | 月初(入金した月からリターンが付く)。「年初一括」を選ぶと毎年1月に1年分を入金 | 月末(入金した翌月からリターンが付く) | NISA×iDeCo: NISAは月初、iDeCoは月末。ライフイベント: 月末 |
| 年率→月利 | 入力した年率 r を12で割った r ÷ 12 を毎月の利率として複利計算(名目年率の月割り) | ||
| 費用(手数料) | 差し引かない(入力する想定利回りは信託報酬控除後の値を推奨) | 想定利回りから年率 0.3%(運用管理手数料)+0.2%(信託報酬)を差し引いて計算 | NISA×iDeCo: NISAは差し引かず、iDeCoは年0.3%+0.2%を差し引く。ライフイベント: 差し引かない |
| 物価(インフレ) | 考慮しない(名目金額) | 考慮しない(名目金額) | ライフイベント: 住宅・教育など一部イベントの費用を年2%で物価上昇させて計算。資産側は名目金額 |
| 運用益への税 | 非課税。「非課税メリット」は運用益 × 20.315% を表示 | 運用中は非課税。受取時の税は受取方法ごとに簡易計算 | NISA部分は運用益 × 20.315% を非課税メリットとして表示 |
年率の定義について: 月利を「年率 ÷ 12」とする方式では、1年間複利で回した実質の年率はわずかに高くなります (例: 年率5%の場合 (1 + 0.05/12)12 − 1 ≈ 5.12%)。 実質年率ちょうど5%で計算したい場合は、入力値をやや低め(約4.89%)に設定してください。
iDeCoの手数料について: 実際のiDeCoの口座管理手数料は、多くの場合「月額○円」の定額です。 当サイトでは簡易化のため年率に換算した値(合計0.5%)を利回りから差し引いています。掛金が少ないほど、実際の手数料負担の割合は大きくなる点にご注意ください。
5. 給与から課税所得への前提
iDeCoの節税額は年収(額面)ではなく「課税所得」で決まります。シミュレーターは入力を簡単にするため年収だけを入力とし、 次の手順で課税所得を推計しています(iDeCoシミュレーター・NISA×iDeCo統合シミュレーター共通)。
- 給与所得 = 年収 − 給与所得控除(最低74万円、年収に応じて30%+8万円 / 20%+44万円 / 10%+110万円、上限195万円)
- 社会保険料控除 = 年収 × 15%(厚生年金・健康保険・雇用保険の概算。標準報酬の上限や介護保険は考慮しない)
- 基礎控除(所得税)= 合計所得金額489万円以下は104万円、655万円以下は67万円、2,350万円以下は62万円 など
- 所得税の課税所得 = 給与所得 − 社会保険料控除 − 基礎控除 − iDeCo掛金
- 住民税の課税所得 = 給与所得 − 社会保険料控除 − 基礎控除43万円 − iDeCo掛金(住民税の給与所得控除は最低65万円)
- 適用する制度の時点: 所得税は令和8年分(2026年分)、住民税は令和8年度分以降(令和7年度税制改正後)の制度 (2026-09-30に国税庁・総務省の公表内容を確認)。所得税の基礎控除は令和10年分以後に再度変わる予定です。
- 給与所得者(会社員・公務員)・独身・扶養なしを想定しています。自営業の方は目安としてご覧ください。
- 配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除・住宅ローン控除・医療費控除などの個別事情は反映していません。
- 給与収入660万円未満で本来使う所得税法別表第五の端数処理は行わず算式で計算しています(誤差は数千円程度)。
正確な節税額は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から所得控除の合計額を引いた課税所得を速算表に当てはめて確認してください。 出典: 国税庁「給与所得控除」(No.1410)/ 国税庁「基礎控除」(No.1199)/ 総務省「個人住民税」(soumu.go.jp)
6. 代表ケースの検算例
以下の数値は、各シミュレーターと同じ計算関数を実行した結果です。 計算ロジックを変更した際にこの数値とずれた場合は自動テストで検知できるようにしています。
例1: NISA(つみたて投資枠)月3万円・年率5%・20年
- 前提: 毎月積立(月初入金)、月利 = 5% ÷ 12、手数料・物価は考慮しない
- 計算式: 月額 ×(1 + i)×{(1 + i)n − 1}÷ i(i = 0.05 ÷ 12、n = 240か月)
- 投資元本: 7,200,000円
- 1年目末の評価額: 369,901円
- 20年後の評価額: 12,382,389円
- 運用益: 5,182,389円
- 非課税メリット(運用益 × 20.315%): 1,052,802円
例2: iDeCo 会社員(企業年金なし)月2.3万円・年率3%・30〜60歳
- 前提: 月末入金、手数料控除後の年率 3% − 0.3% − 0.2% = 2.5%、月利 = 2.5% ÷ 12
- 計算式: 月額 ×{(1 + j)n − 1}÷ j(j = 0.025 ÷ 12、n = 360か月)
- 拠出総額: 8,280,000円
- 60歳時点の資産額: 12,313,453円(運用益 4,033,453円)
- 年収500万円の課税所得: 給与所得 3,560,000円 − 社会保険料 750,000円 − 基礎控除 1,040,000円 = 1,770,000円(所得税率5%)、住民税の課税所得 2,380,000円
- 年間節税額: 41,690円= 所得税 276,000円 × 5% × 1.021 ≈ 14,090円+ 住民税 276,000円 × 10% = 27,600円
※ 例2は「5. 給与から課税所得への前提」(令和8年分(2026年分)の制度、社会保険料は年収の15%、独身・扶養なし)での値です。 掛金を控除しても課税所得は税率5%の区分内にとどまるため、上の単純な掛け算と一致します。
7. 前提と限界
- 将来の運用リターンは保証されません。想定利回りはあくまで仮定です。
- 税制・社会保険料は改正される可能性があります。iDeCo節税額は所得税令和8年分(2026年分)・住民税令和8年度分以降(令和7年度税制改正後)の制度に基づきます(2026-09-30確認)。
- 個別の控除・特例・自治体差は反映しきれない場合があります。正確な税額は税理士・税務署にご確認ください。
出典一覧
- 金融庁「新しいNISA」: https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/
- 国税庁「所得税の税率」No.2260: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
- 国税庁「給与所得控除」No.1410: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
- 国税庁「基礎控除」No.1199: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm
- 総務省「個人住民税」: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html
- iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会): https://www.ideco-koushiki.jp/
本ページは情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や投資助言ではありません。投資判断は自己責任で行ってください。