FPが教える生命保険の見直しポイント:無駄な保険料を投資に回す
生命保険の見直し方法をFPの視点で解説。不要な保険を見直して、浮いた保険料を投資に活用する方法を紹介します。

FPが教える生命保険の見直しポイント
「毎月の保険料、本当に必要な分だけ払っていますか?」
日本人の平均保険料は年間約37万円(生命保険文化センター調べ)。月に換算すると約3万円です。
もしこの保険料を見直して月1万円を節約し、投資に回したら?30年で約830万円になります(年利5%想定)。
- 保険見直しの基本的な考え方
- ライフステージ別の必要保障額
- 見直すべき保険の具体例
- 浮いた保険料の投資活用法
保険見直しの基本原則
保険は「万が一」の備え
保険の本質は、起きる確率は低いが、起きた時の経済的ダメージが大きいリスクに備えることです。
| 保険の目的 | 適切な例 | 不適切な例 |
|---|---|---|
| 万が一の備え | 死亡保障(家族がいる場合) | 貯蓄目的の保険 |
| 高額なリスクへの備え | 就業不能保険 | 少額の入院日額保障 |
| 公的制度で不足する分 | 遺族年金の不足分 | 公的制度と重複する保障 |
見直しの3原則
公的制度を知る
日本には手厚い公的保障があります。まずはそれを把握しましょう。
本当に必要な保障だけを残す
「安心のため」で加入した不要な保険はないか確認します。
浮いた保険料を投資に回す
保険で備えるより、資産を増やして自分で備える方が合理的な場合が多いです。
知っておくべき公的保障制度
多くの人が知らない公的保障
| 制度 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 高額療養費制度 | 医療費の自己負担上限あり | 月約8万円程度が上限(年収によって異なる) |
| 傷病手当金 | 病気で働けない時、給与の2/3を支給 | 最長1年6ヶ月 |
| 遺族年金 | 家族が亡くなった時に遺族に支給 | 子供がいる場合は遺族基礎年金も |
| 障害年金 | 障害状態になった時に支給 | 1・2級で支給 |
例えば、医療費が100万円かかっても、自己負担は約8〜9万円程度で済みます(年収約370〜770万円の場合)。高額な医療保険は本当に必要でしょうか?
ライフステージ別の保険の考え方
独身(扶養家族なし)
| 保険の種類 | 必要性 | 理由 |
|---|---|---|
| 死亡保障 | 不要 | 扶養家族がいない |
| 医療保険 | 貯蓄で代替可 | 高額療養費制度がある |
| 就業不能保険 | 検討 | 収入途絶リスクへの備え |
| 個人賠償責任 | おすすめ | 月100〜200円で加入可能 |
理想的な保険料: 月0〜5,000円
子育て世帯
| 保険の種類 | 必要性 | 理由 |
|---|---|---|
| 死亡保障 | 必要 | 子供の生活費・教育費を確保 |
| 医療保険 | 検討 | 貯蓄で不足する場合のみ |
| 就業不能保険 | おすすめ | 家族の生活を守る |
| 学資保険 | 不要 | NISAの方が有利 |
必要な死亡保障額の目安:
| 項目 | 金額(概算) |
|---|---|
| 子供の生活費(18歳まで) | 1,500万円 |
| 教育費 | 1,000万円 |
| 配偶者の生活費(10年分) | 1,500万円 |
| 遺族年金(差し引き) | -2,000万円 |
| 必要保障額 | 約2,000万円 |
子育て期間の死亡保障は、掛け捨ての定期保険が最もコストパフォーマンスが高いです。終身保険より大幅に安い保険料で高額の保障を得られます。
子供が独立した後(50代〜)
| 保険の種類 | 必要性 | 理由 |
|---|---|---|
| 死亡保障 | 縮小 | 子供が独立すれば大幅減額 |
| 医療保険 | 検討 | 貯蓄があれば不要 |
| がん保険 | 検討 | 治療費が高額になることもある |
見直すべき保険の具体例
1. 貯蓄型の終身保険
| 項目 | 終身保険 | NISAで投資 |
|---|---|---|
| 月額 | 15,000円 | 15,000円 |
| 30年後 | 約600万円(返戻金) | 約1,250万円(年利5%) |
| 流動性 | 途中解約で元本割れ | いつでも売却可能 |
| 手数料 | 高い(見えにくい) | 低い(信託報酬0.1%程度) |
貯蓄型保険は保障と貯蓄が一体化しているため、どちらも中途半端になりがちです。保障は掛け捨てで安く確保し、貯蓄はNISAで効率よく行う方が合理的です。
2. 高額な医療保険
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| よくある保険料 | 月3,000〜5,000円 |
| 30年間の総支払額 | 108万〜180万円 |
| 実際の入院日数平均 | 約17日 |
| 入院日額5,000円×17日 | 85,000円 |
30年で100万円以上払って、実際にもらえるのは数万円ということも珍しくありません。
3. 学資保険
| 項目 | 学資保険 | NISA積立 |
|---|---|---|
| 月額 | 15,000円 | 15,000円 |
| 18年後 | 約330万円(返戻率103%程度) | 約520万円(年利5%) |
| 途中解約 | 元本割れ | いつでも売却可 |
見直し後の保険料の使い道
節約できた保険料を投資に
| 見直し前 | 見直し後 | 節約額 |
|---|---|---|
| 月3万円 | 月1万円 | 月2万円 |
月2万円を30年積立
年利5%想定
投資元本
複利で約2.3倍
保険見直しの注意点
- 既存の保険を解約する前に新しい保険に加入すること
- 健康状態によっては新規加入できない場合がある
- 保険の見直し=全部解約ではない。必要な保障は残す
- 不安な場合は独立系FPに相談する(保険会社所属FPは保険を勧めるバイアスがある)
まとめ
- 公的保障を知る — 日本の公的保障は手厚い
- 必要な保障だけ残す — ライフステージに合わせて見直す
- 浮いた分は投資に回す — 保険より資産形成で備える
保険は「安心を買う」ものですが、過剰な安心にお金を払いすぎていないかを定期的にチェックしましょう。
浮いた保険料をNISAで積み立てれば、保険以上の「安心」を手に入れることができます。
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免責事項: この記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品や保険商品の勧誘ではありません。保険の見直しはご自身の状況に合わせて慎重に判断してください。